「昨日の話ですが、逆に尊敬できる恩師はいなかったのですか?」
恩師……と呼べる人は一人だけいるが……尊敬とは違うと思う。
普通に、あの先生は良い人だった高校の書道の先生だが、生徒の作品をまず肯定してくれる人でちゃんと生徒を人間扱いしてくれる人だった。
でもな……それが普通のあるべき姿じゃねぇ?
カリスマとか、そういうのはいらないんだよ。人間同士で真っ当な関係ができればそれで。
「尊敬なんて、他者からの客観的な評価に過ぎないものね。それを強要するのは相手を奴隷扱いすることになり、つまり尊敬を求めることは尊敬に値しない行為。」
んだんだ。けど、教師からすれば、生徒を奴隷化した方が楽なんだろうけどな。
「兄様の通っていた学校、どれだけ酷かったんですか?」
いや、そこまでドン引きされると、流石に違うと言いたくなるが……
「じゃあ、その恩師のいる学校には恨みはないと……」
……なんかこう恩師以外都合良く地震で挽肉になるといいなとは思ってる。
「やっぱり恨みが深いのね」