別にサンタがいないと言いふらしたいわけじゃない。サンタがいるかどうかはともかく、実際に子ども達にサンタからのプレゼントだと、それがイベントのお約束から、嘘になるその境界でストレスを感じてるのがいやなんだよ。
親からのプレゼントだとわかった上で、サンタからのプレゼントだという風に演じなきゃいけないの、率直に言っていやだったぞ。
親の善意を受け取りながら、同い年の友人には、サンタの正体なんて知ってるんだって顔をしてさ……
「兄様がそのときどう思っていたかはわかりましたが、あの子がどう感じるか、どう考えるかは、父親であっても決めつけてはいけないのではありませんか?」
「後で、考えてみたのだけれど、サンタからの……ということで、親の金を気にするなとか、親の顔色を気にするな……とかそういう形式を整える意味があったのかもしれないわね」
それこそ、親次第だな。こどもが気にしないように気を遣う親もいれば、顔色をうかがわせる親もいるだろうし……
「……それこそ、サンタクロースなんていないのだと、子どもが察してしまうような家は真っ当な親子関係ではないということなのでは?」
試されているのは親の方だと?子どもが無邪気でいられるかどうかの試金石だということか。
「だから、子どもにサンタを信じろと強制する大人がいるのかしらね?自分の子どもは無邪気なのだという証明になると思って……」
宗教だな……というか、宗教の一部でなんだな。
本来の趣旨がねじ曲がってしまうところは特に。