恋愛っていろんな意味でファンタジーなんだろうな。
「また、唐突に……で、私たちとの関係は……どうだと考えているのですか?」
率直に言えば、肉欲から始まってると思う。そこから愛に到達したのかよくわからない。
「別に、肉欲でつながり続けられるなら、愛に到達しなくてもかまわないと思うけど……」
それは、ある意味、愛……というか、許容、寛容……共感?それとも堕落への誘惑の方がやはりふさわしいのか……いや、けど、積極的に堕落させようともしてないよな……
「そもそも、堕落ってなんですか? 兄様は欲望を満たすことを率直に求めていますが、その手段として、金銭的余裕などを求めて、社会性を維持しようとしてるわけです。それは堕落とは違うと思います。金銭を得るために違法な行為には全く手を出していませんし、そういう行為をもっぱら嫌悪しているでしょう」
「そうね、その代価として違法行為に手を染めて……と言うのは、旦那様にとっては苦痛である以上、そんなことを求めないわ……」
苦痛か……そういう苦痛を感じなくなれば生きやすいのかもしれないと時々は思うよ。
でもさ、俺、そんな善人じゃないし、話戻すが、おまえ達を最初に欲望のはけ口として……接したのは事実だぞ。だから、恋愛はファンタジーなんだって……
「何を今更……」
「私はこう……こういう扱いでも……」
……何それ?そんな痛そうなのどこでいつ買ったの?SMとかやらないからね!
「結局このオチですか……」