久々に映画を見て泣いた。
「びっくりしましたよ。ああいう脚本が琴線に触れるんですか?」
まあ、自分でも驚いたし。
主人公と、悪役サイドの両方に感情移入しちゃったからなぁ。
主人公のやらかしたことも、それを怨む側もどちらの気持ちもわかっちゃったし……
「なるほど、旦那様の過去の経験と重なるものがあったのね」
そうそれ、自己分析していろいろ思うことがあったわ。
だからこそな……、その場合は自分は浄化されることができたけど、逆に他人への憎悪を煽る映画なんかを支持する連中がでちゃうのも理解できてしまった。
「映画というとなんの映画なのか知りませんが、ワイドショーを見て憎悪を募らせて、“凶悪犯”に嫌がらせを始める人たちのことですか?」
いや、まあ、それもそうなんだけど、フィクションの体をとって陰謀論にまみれた憎悪を煽る映画があるんだよ。
「あら、怖い、そんな映画があったのかしら?」
ほんと、心底怖いよ。特定の人物や組織を悪役にしつつ、フィクションだから侮辱には当たらないという……
だが、一方で、それを見た人間は真実に目覚めたと騒ぎ出す……
「……それ、昔から普通にあったことでは?政治批判弾圧の回避に名前を変えたり、完全なフィクションでも本気にしてしまう駄目な人いますし」
……かもしれんが、もうちょっとこうおまえには、ええ!そんな人間がひどいことをするなんて!的な反応して欲しかった……
「それ、悪堕ちするパターンだから、冷めてるくらいが丁度良くないかしら?」