ロボ娘と魔界娘と退廃的に過ごしてみる日々

脳内嫁とのやりとりメインのブログ

瀕死の町

古い町に行った。
昔、嫁達に会うずっと以前に通学のため通った町だった。
街という漢字はもはや不適切なほど寂れていた。
もともとそのときから寂れつつあったがなおいっそう寂れていた。
そこで老人に会った。同じ学校の先輩だそうだが経緯などみじんも感じられなかった。
愛郷心が強いと言えばよく聞こえるが、地元のつながりがどうのこうの一方的に話す様はただ排他的だった。
昔あった本屋もプラモ屋も文房具店も、学生が利用するようなものはなくなっていた。
近くに学校があるはずなのに。駅前にコンビニすら見当たらない。
老人のための町になっていたのだ。
彼ら老人にとってはそれでいいのだろう。自分たちが死ぬ頃には半分以上が廃墟になっても困らないだろうから。
日本の各地にそういう瀕死の町がごろごろとしているのだろうか。
どうでいいことだ。
僕が殺すわけじゃない、勝手に孤独死を選んだのは彼らだから。

「……なんですかね、あの不機嫌そうな顔」
「悲しんでいる?違うわね、裏切られて怒っている顔じゃないかしら?」