ロボ娘と魔界娘と退廃的に過ごしてみる日々

脳内嫁とのやりとりメインのブログ

見えるものすら軽んじる

座敷童の旅館が全焼だというニュースが流れたがそれについてのマスコミのやり方がな……
「なんといいますか、統計を取ったわけではないので反論するわけにもいきませんが……出世するような人でないと泊まれなかったのではないかと勘ぐってしまいそうです。」
出世した人物の筆頭に原敬を出していたが……真っ先に暗殺事件を思い出したのは俺だけじゃないと思う。まあ、効果が切れていたと言えなくもないだろうが。
「人の悪意には勝てなかったのね。そもそも幸運とは何かしら?努力の成果がいかになるかを天に任せるというのはわからないけれど。その成果が神様による祝福のものだとしたら、それはむなしくはないかしら? 祝福無くして得られない結果……、祝福がないばかりに失う苦しみ……」
結局、人間は弱いからなぁ……そこかしこに神を見ないと、見守ってもらわないと辛いんだろう。って、まあ、その辺はともかく純粋に報道姿勢の問題についてだが……とある漫画家が描いた座敷童が瞬きしたとかいう嘘をついていたのはどうかと。しかも、確かに瞬きした映像があるがそれは使わずに。
「あの、にいさま?また矛盾していますよ。瞬きした映像があるのに嘘って……」
ああ、瞬きしたように見える映像は確かにあるんだよ。 ただし、先日のニュースではその映像を使わずにうそっぱちのアニメ映像を使ってた。
別にその漫画家がトリックを使った訳じゃない。……まあ、本当のことをちゃんと言ってないとしたら問題だが。
瞳の部分だけ墨で塗りつぶしを使っていたので、絵を少し斜めにしたときに塗りつぶしが光の反射を起こして白く見えてしまい、あたかも瞬きしているように見えたんだよ。
あれはおもしろい映像だったからよく覚えてる。というか、ちゃんとテレビ局の方が検証までやってたんだ。
だいたい、瞬きって左右同時が普通だろ。それが紙の傾きに応じて右が先に閉じたり左が先に閉じたりするように見えるんだから。
……まあ、ぶっちゃけると、俺には光の反射としか見えなかったけどな。言われてああ、そういう風にも見えるなと思った程度で。
「そうまでして、座敷童とやらがいないとダメなのかしら?」
「旅館としてはいないと困るのでしょうけれど、テレビ局にとっては別に困らないですよね」
……いると言わなければ怖いのかもしれない。
「どういう意味かしら?」
俺はいてもいいんじゃね。とは思う……だが、それだけじゃない、否定するのが怖いんだよ。否定したら周りに悪意を向けられそうで。
正直、今こうやってこの話しているとな寒気がするんだよ。幽霊とかオカルトじゃなく、それを狂信する人間が怖くて。
俺は所謂霊能者の知人もいるから、その人達にしか認識できないこと、あるいは他人より鋭いがうまく認識できずにそう解釈せざるを得ないことがあるかもしれないな……と思う。だって、人間的にいい人なのであんまり疑いたくないし。俺が幽霊を否定しないのってその程度で動機でしかない。
だから、あきらかに人間的に信用できないのに、霊が見えるとか言ってる連中は全くもっと信用してない。
だが、見えないのに、よりによって言っているのがそういうカルトの気配がする奴なのに盲信する連中って……
昔、あまりにもバカな話だったので否定したときに言われた台詞にぞっとしたよ。『お前には夢がないな』だとさ……
「あの……夢……なんですか?」
そう言っていたよ。幽霊を信じる連中の根拠ってこんなものかと、そういうのを信じたい気持ちはわかる。
だがそのために事実をねじ曲げる必要があるのかと……
「視聴率という理由があるわ。 もし、事実をその中で伝えたなら抗議までしなくても番組を見るのはやめるでしょうね。」