優律、あい……誕生日おめでとう。
「ようやっと、覚えました?」
……ごめんて
「私は結果的に間違われたことないけれど……やっぱり忘れられるとショックな者なのかしら?」
というか、魔族的に誕生日を祝う習慣があんまりないやろ。
「でも、愛し合う口実になるから。そうね、だから、相手が忘れていようとこちらが覚えていれば口実には使えるもの。優律も人間も、自分からねだればいいのに、何を気にしているのかしら?今更世間体もないでしょう?」
「それはそうかもしれないけど……なんかこう……それじゃ私が悪い子みたいじゃ……」
「良い子に思われたい……それも人間の欲望の一つよね。それをガイノイドもとりこんだといわけね」
まあ、優律は良い子でよいんだよ。悪い子にならなくても。
「兄様に都合がいいから?」
いや、都合の良い子って意味じゃなく……