なんだろう、身体を壊さずに働きたいというのがそんなに高望みなのかね?
「そんなことはないのですが」
「無理をして見せないと評価されないというのはおかしなことね」
なんだろう、身体を壊さずに働きたいというのがそんなに高望みなのかね?
「そんなことはないのですが」
「無理をして見せないと評価されないというのはおかしなことね」
時間によって寒暖差が酷くてくしゃみが……
「風邪の可能性は?」
まあ、暑くなったらでなくなるから、寒いときに厚着して対応すれば良いかと思うのだが……
「この段階で医者にかかっても、安静にと言われるだけかしらね?」
水虫の薬塗るのがめんどくさい……
「治療しないと最悪切断ですよ」
いやいや、そこまで酷くないから!
「でも、実際、爪の変形とかかなり酷いのでは、病院にいくべきかもしれないわね」
うぐ……それはそれでめんどくさい……
「かゆいんですよね?」
……ちょっとだけ……
「どうして、こうなるまで無頓着だったのかしら?」
なんでか、高校の時ぐらいからか、台風は土日にばかり来るんだ。
「バイアスかかっていませんか?」
かもしれんとおもうのだが、記憶の限り、高校をそれが理由で休んだことないし、大学は……どうだったっけなぁ。
「来ても真夜中だったというパターンもあったのではないかしら?」
ああ、それなぁ……
ソシャゲ疲れた。
「どちらかと言えば、取り憑かれていましたよね……しかも、1タイトルを長時間ではなく、複数を……」
「なまじ、一度クリックしたらある程度勝手に進むという親切設計が災いしているわね。同時に回そうとして、結果、一つに見入って作業が止まっているわね」
結局、それぞれ、微妙にやることが違うせいで、頭が混乱する。単純作業だからいけると思ったんだが……
「そもそも、やりたくてやってるというには何か違和感を覚えたのですが」
んん、やりたい……じゃなくて、シナリオを読みたい、キャラをめでたい、であって、ゲーム事態はそのための作業であって、ゲーム自体が好きなわけではないような……
「作品としてみれば、キャラやシナリオは立派なゲームの一部なのだけど、ゲームのシステムが楽しくないと、やりたいけど、楽しくないゲームになるのでは……」
あー、言われてみると、ゲームが詰まると一番嫌なのは確かにシナリオの続きが読めなくなることで、あまりに読めないからやめてしまいたくなるみたいな……
「どうせ、無課金でいくつもりなら、やめてもらっても、あちらも困らないでしょう。むしろ、やめてもらった方がサーバーの負担も減りますし。」
「でも、おそらくはほとんどが無課金のプレイヤーよね。運営にとってそういう客はどういう価値があるのかしら?将来課金するかもしれないから?間口は広い方がよいのだろうけど、それにしても、多すぎるでしょうね。」
「ごく一部の重課金プレイヤーで保っていると聞きますが……まるで、釣り糸を垂らして、大物を待つような……」
あるとき起きた現実の災害を扱った創作物があって、一つは登場人物が一人も死なない話、もう一つは死ぬ話、さて、普通に考えたらどちらにリアリティを感じるだろう。
「リアリティと言うなら死ぬ方でしょう?」
ところがどっこい死ぬ話の方はリアリティがないと批判が殺到しているのな。死なない話の方はリアリティがないようでいて、どこかあり得るように感じられて、共感したファンで社会現象にまでなってる。
「そうね、現実には他人の死なんて生きていればどこかで遭遇するものだもの。どうも、この世界の人間は死を現実のものと考えていないところがあるわね。現実逃避?」
そうだな。現実逃避だね。死ぬ話の方は実際に死んだ人間や遺族に向き合っていない。死なない話の方は生きている人に向き合ってる。
「死に向き合うといえば、本来のお経は死者に向けられるものではなく、聖者に向けて死者への執着を断つように促すものだとか」
うーん、人が死ぬ話っていうのは要するに登場人物や読者、視聴者を呪っていくものなのかもな。